HA21S K6A バルブステムシール交換 |
まえがき 3年くらい前からなのですが、全開走行後や、エンジンがかなり温まった状態で長いアイドリングをすると、 白煙を吹くことがありました。 でも、ブーストもかかるし、白煙の頻度も少ないので放っておいたのですが、最近、排気ガスが臭いな〜っと。 臭いは、どうしても気になってしまい、きっとこれはタービンのせいだろう! と決め付けてタービンをノーマルに 戻してみたけどあいかわらず、臭いし白煙が出る。。。 原因をネットを探してみると、タービンが原因の白煙は少なくて、どうやら、バルブステムシールが怪しそうな。 私のHA21S、17年物なので、バルブステムシールの様なゴム部品は劣化してるのが普通な気がしますよね。 推定原因 バルブステムシールがエンジンの熱と長期使用により硬化、ひび割れしシール機能が低下 ↓ エンジンが温まりエンジンオイルの粘度が低下すると劣化したシールとバルブの隙間に侵入 ↓ オイルは正圧域では吸気管に侵入しないが、エンブレやアイドリングの負圧域で吸気管に侵入 ↓ 燃焼室でオイルが燃えて白煙を吹く これが、いわゆる”オイル下がり”の流れ・・・・・・・・・・ちょっと待てよ、これって正圧域では吸気管の圧力が微妙に 漏れてるってことだとしたら本来のパワーが出てないかも・・・・・これは放っておけない! で、重い腰を上げて作業を開始しました。 整備書によると、バルブステムシールを交換するには、ヘッドを降ろしてバルブスプリングコンプレッサが必要・・・・・ かなり面倒な上に、また専用工具か。。。 ヘッド降ろすには、ガスケット類にお金かかるしな〜 全国のDIY野郎が、いいかんじの貧乏修理をしてないかな〜って淡い期待を胸にネットで探してみたら、いますね。 判ったことは、ヘッドは降ろさなくても作業可能、コッタを外すのは叩けば取れる?、でもコッタをどうやって付ける? これ以上の情報は無いけど、まあ何とかなるでしょう! と、いつもの行き当たりばったりで作業開始! 作業編 トライ&エラーを繰り返した結果、なんとか交換できました! 結論から言いますと、HA21S K6Aのバルブステムシール交換には、これだけのスペシャルツール?があれば出来ます。 左から、プラグレンチ+内径Φ6 外径Φ10のゴムホース(レンチの中)、外径Φ20塩ビパイプ(水道管)、伸縮マグネット。 塩ビパイプと伸縮マグネットはコーナンで。 順番を説明します。 まず、バルブステムシールに辿り着くには、ここまで部品を外します。センターのエンジンマウントまで外します。 ここまで5時間くらい。大変だな カムを外すために、ここまでバラします。 もちろんオイルパンも外します。 一番シリンダーからやりました。 まず、作業するシリンダーのピストンを圧縮上死点にします。理由は、バルブを極力下げない(動かさない)ためです。 次に、タペットをマグネットで外します。写真の、左下のバルブがタペットを外した状態です。 そして、右に見える塩ビパイプをバルブスプリングリテーナに当てて、塩ビパイプの中に伸縮マグネットを入れた状態で 塩ビパイプを上から押してスプリングを縮めます。 なんと、これだけでコッタが外れます! 一回で外れない場合は2〜3回やれば外れます。 全部で12本もやるので、後半には腕力が無くなってきて、塩ビパイプをハンマーで叩きました。これもありですね。 コッタはマグネットにくっつきます スプリングを取れば、見えましたバルブステムシールが! こいつを、ラジオペンチで必死になって外しました。今回の作業でこれが一番大変でした。 外した、リテーナ、コッタ、タペット、スプリングです。 バルブステムシール、左は強引に外した物、右は新品。 参考ですが、バルブステムシールが外れた状態。 ここで注意点! ラジペン等で夢中にグリグリやっていると、タペットの当たる面やカムが当たる面に傷を付けちゃいます。 私はやってしまったので、後でヤスリで仕上げましたが、削りカスが出るし、ここは非常に気をつける必要があります。 ちなみに、バルブステムシールを外すとき、バルブが邪魔になるので、圧縮上死点より少し下げてやりました。 矢印の辺りに傷を付けない様注意! 外し方の別の方法として 場所によっては、こんな感じで脇からマイナスドライバーを使ってテコの原理で下から上げるのがお勧めです。 これを思いついたのは終盤でした。。 新品のバルブステムシールをエンジンオイル漬けにした後、バルブに刺して 10mmのディープソケットで、奥まで刺し込みます。私の場合は指の力で十分でした。 バルブステムシール装着後。 → バルブスプリングを入れ → リテーナにコッタをはめて乗せます。 ここでスペシャルツールの登場です! とは言っても、プラグレンチの中にΦ10/Φ6のゴムホースを刺しただけ(^^; ゴムホースのレンチからの出代が重要で、写真くらいにするといいでしょう。 このプラグレンチ+ゴムホースを、リテーナとコッタに当てて、上から手で押してやります。 なんと、これだけで装着完了!!! こんな記事、書いてくれているページは無いので、これって完全オリジナルの作業方法だと思っています。 私は、絶対簡単な方法で短時間で組めるはずだ!と思ったのは、量産のエンジン組み立て工程で、わざわざピンセットで コッタを組んでる訳がない! 量産は時間勝負ですからね。 で、コッタとリテーナの形状、組み付け後の位置関係から考えた結果、手持ちの工具とゴムホースで思いつきました。 矢印の方向に手のひらで押します。 ちなみに、12本やるには手が痛くなってきたので、改良版がこれです。手に当たる部分の面圧を下げて快適作業可能です。 アストロの手回しアダプターを装着 参考ですが、いかに外すのが大変だったか! を、ボロボロになったバルブステムシールが物語っています。 この工程の良いスペシャル貧乏ツールが思いつけば商売できそうですが、しばらくの間は、この作業はやらないか。。 この作業だけは、専用工具が欲しいと思いました。。 今回の作業にかかった費用 バルブステムシール 3700円(モノタロウ)、塩ビパイプ 200円、伸縮マグネット 200円、液体ガスケット 1500円、 銅ワッシャ 400円(タービン用)、エンジンオイル 1100円、LLC 700円 合計 7800円。 ゴムホースは手持ちの物なのでタダ、液体ガスケットはたまたま切らしてたので今回購入しました。 2012-12-08 更新 作業後、全開走行をした後、アイドリング時にもの凄い白煙が出たので「何か失敗したかな・・・」 しかし、それ以来、白煙も臭いも一切無くなったので、作業は成功でしょう! なぜ、作業直後に白煙が出たのかは不明ですが、結果オーライとしましょう(^^; TOPへ |